チャンディーガル CHANDIGAR
インド パンジャブ州 チャンディーガルの新しい首都都市は1951年から1965年の間に、ル・コルビュジエとピエール ジャンヌレと協力者の手で建設されました。ル・コルビュジエは、管理棟のほとんどの建設をしました。
チャンディーガルは、ル・コルビュジエの唯一の主要な都市計画プロジェクトです。

1965年から1990年後期までのあいだに . . .
ル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレは1965〜1967年に相次いで亡くなり、彼らの意思や功績も次第に時とともに薄れ忘れさられていきました。チャンディーガルのメンテナンスは不十分になり、家具も古くなり劣化し、誰も興味がなくなっていました。
市の行政によって町は改修され、老朽化した家具は格下げされて野外などで無防備に放置されてしまいました。悲しい家具は地元の蚤の市やオークションなどで低価格で取引されたり、さらに悪いことには薪として破壊され暖房や調理用として使われたりもしていました。

2000年代初頭、その事実に驚いたヨーロッパ人が現地での調査や家具の修復などをおこないヨーロッパとアメリカへの輸送を決めプレゼンテーションがおこなわれ、その価値が再認識されていきました。
チャンディーガルは今、インド人のル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレの功績と価値を再認識し、町は手入れが行き届き住民たちはとても誇りに思っています。
この奇跡的な物語は後世にも世界的に語り継がれていく事でしょう。

家具 Furniture
家具の製作はピエール・ジャンヌレの監督の元、14年余りの間に行われました。
用途により形状が異なり型数は分かっているものだけでも300点以上は確認されています。椅子はもとよりテーブルやデスク、本棚など多数にわたり製作されました。
脚がコンパスのような特徴的な型をしているものが多く、いまではアイコンのようになっています。
素材 material
インド国内で採取できる素材のみで作られ、主にはチークが使われましたがシダーやローズウッド、竹や鉄なども使用されました。
ステンシル Stencil
白いステンシルやマーキングが少数の家具には塗られています。これらは家具職人の手でマーキングされ、位置番号や注文番号の識別や個人的な基準の為に書かれたようです。今では多くは解釈が困難であり、ほとんどが劣化し消えてしまいました。
チャンディーガルの民家の家具にはマーキングが無かったようです。

《 参考資料 》
- CHANDIGARH: THE CORBUSIER CENTER
- CHANDIGARH: CITY MUSEUM
- Le Corbusier Pierre Jeanneret, l'Aventure Indienne / the Indian Aventure, Design Art Architecture, Eric Touchaleaume and Gérald Moreau, 2010.
- le corbusier, pierre jeanneret: the indian story
- Le Corbusier, Pierre Jeanneret, Chandigarh India, Galerie Patrick Seguin, 2014.
- Jeanneret Chandigarh furniture, Jacques Dworczak, 2019.
などがある